今回は、僕たち夫婦が3年連続で長期滞在している 「エジプトのダハブ」 を紹介したい。
ダハブは綺麗な海とダイビングが有名で、また物価が低いことも有名だ。しかし、はじめてのエジプトでは不安もあるだろう。僕たち自身も3年前は不安だったし、まさか3年連続で戻ってくるとは思っていなかった。
特に 「エジプト」 と言うと治安を心配する方もいると思うので、治安の良いダハブの街並みをたくさんの写真でお伝えできればと思う。
ダハブの観光スポット
ダハブには数多くのダイビングスポットがあるのと、ダハブの周辺には観光客の少ない穴場のビーチもたくさんある。
ダイビングだけでなく、シュノーケリングでも美しい珊瑚礁と魚たちを楽しめる。ビーチではラクダに乗ることもできるので、もしエジプトらしさを満喫したいなら Three Pools など少し遠くにも足を伸ばしてみよう。ダハブから片道100LE(約650円)で約20分で行ける。
Three Pools の他にも、Eel Gardens や、Canyon でのシュノーケリングも手軽でおすすめだ。
最も有名なスポットである Blue Hole は、ここ最近、少し 「人が多すぎる」 感じがする。時間がある人は、Blue Hole からボートで行く Ras Abu Galum や Sharm El Sheikh から南西に位置する Ras Mohamed など、別のスポットも是非ぜひ訪れて欲しいと思う。海が好きな人なら、絶対に楽しめるはずだ。
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ダハブの治安と街の様子
さて、ダハブの街は 「街」 というほど都会ではないが、2017年からの3年間では活況を呈してきている。
2011年に巻き起こった 「アラブの春」 の一環でエジプト革命が起こり、ダハブでも観光客の客足がかなり減ったそうだ。僕は2017年から後の 「急回復の過程」 を見てきたことになる。
治安はというと、夜になっても小さな子どもが外を出歩いているほどで、裏通りを一人で歩く女性観光客も普通にたくさん見掛ける。お店も非常に夜遅くまで空いているし、子どもたちも買い物に出掛けたりしているくらいだ。
僕は革命以前のダハブを知るわけではないが、2017年から3年間のダハブは良く知っている。新たに街の道路が舗装され、街灯も整備され、有志たちの力で植樹なども行われている。まださらに綺麗になっていくだろう。
海外からの観光客は増加の一途を辿り、Airbnbも人気で、お洒落なカフェやレストランなども増えてきている。僕たちのように長期滞在とはいかなくても、のんびり滞在するのが良い。
灯台はないが、通称 Lighthouse と呼ばれるエリアの南側では特に観光客が多く、賑わいを見せている。レストラン前でショアダイビング (海岸からエントリーするダイビングのこと) ができるので、ダハブの街中はダイバーが多い。僕たちも時々ダイビングを楽しんでいる。
夏の日中は安定して気温が 「38度以上」 になるが、空気はカラッとしている。日陰に入れば、体感温度は32~33度くらいまで下がる。海に入るのが気持ち良く、髪や水着はすぐ乾く。
夕方になると、紅海の向こうには赤くほのめくグラデーションで 「サウディアラビア」 の姿を遠目に見ることができる。風のない日の紅海は湖のように静かで、抜群の透明度。子供たちもプールのように泳げて楽しそうだ。
ちなみに、僕はダハブでは魚介類を食べない。海で泳ぐ美しい魚たちを見たあとに、魚介類を食べる気にはなれないからだ。でもアジア系のレストランが増えてきているのは嬉しい。
そんな話はさておき、ダハブの特産品というかベドウィン族の様々な食文化に触れてみるのも良いだろう。街角ではこのようにグラム売りのベドウィンティーやカルカデも並んでいる。
カルカデはダハブにあるカフェやレストランで注文できるので、試したことのない人は、まずカフェやレストランで飲んでみよう。いわゆるハイビスカスティーと呼ばれるものだが、乾燥させた 「ローゼル」 で、アセロラジュースのような酸味が特徴的な飲み物だ。エジプトでは美容に良いと有名で、お土産としても人気だ。
もちろん民族工芸品も魅力的。お店の人たちも親切な方が多く、写真を撮ってもいいか聞くと皆どこのお店でも快く笑顔で了承してくれた。
夜になると気温も下がり、レストラン周辺ではストリートマーケットの明かりが灯り始める。賑やかな雰囲気で危険な様子など全くない。
客引きも東南アジアのようなしつこい営業ではなく、ときどき話し掛けられる程度。しかも、丁寧に笑顔で返せば普通に雑談したりもできる 「対等な雰囲気」 がある。気構えて警戒するとむしろ雰囲気を壊し、逆に損するだろう。
色の配置や見栄えにもセンスを感じるし、店の前では、砂ぼこりなどを掃き掃除している人も良く見掛ける。挨拶をしながら歩いていると、すぐに顔見知りになれるのもダハブ(笑)
なお、街のあちこちで見掛けるウォールアートもカラフルなものが多く、基本的に砂漠一色の場所が多いエジプトでは色鮮やかなスタイルが好まれるということなのかもしれない。
カーペットやランプなど Airbnb で宿泊すると良くインテリアに使われている工芸品なども、お土産として買うことができる。エジプシャンランプは個人的に超イケてると思う。日本でもお洒落なカフェなどで使われていそうだ。
なお、日用品の買い出しは 「Asala Square」 と呼ばれる地元民の中心地となっているエリアへ行けば、ひと通り何でも安く手に入る。長期で滞在するなら、アパートや自転車などを借りて 「Asala Square」 でも買い物をしてみよう。
新鮮な野菜や果物を安く買える他、ナッツ類を量り売りしているお店、精肉店、薬局、酒屋、雑貨屋、スーパーマーケット、レストランなど 「地元の雰囲気+ローカル価格」 を楽しめる。
上の写真は、僕がダハブで1番気に入っているレストラン El Sharkawy の料理。伝統的なエジプト料理が40LE(約260円)~、メニューにはないが、25LE(約160円)でベジタリアン用のセットも提供してくれる。食べきれないほどの量が出てくるので、腹ペコの状態のメンバーで行くことをおすすめする(笑)
ダハブへの行き方
最後にダハブへの行き方を説明しておく。このように、馬を使って……というのは冗談(笑)
空港での送迎タクシーは、あらかじめホテルに頼んでアレンジしておくのが1番だ。その方が空港でスムーズにことが進むし、料金の交渉をしたりする必要もない。深夜到着の便の場合は出待ちのタクシーの数も少なくなるので、特に送迎をお願いしておく方が良い。
到着はシャルム・エル・シェイク国際空港で、ダハブまでは車で約1時間。2019年時点では、600LE(約3,900円) が1台分の相場料金だ。
途中で何度か検問があるが、タクシーの乗客は特に何もしなくて良い。運転手からは出身国を聞かれるが、これは検問を通るときに運転手が乗客についての説明をするため。深夜でも問題なく、シャルム・エル・シェイクに1泊したりせずに直接ダハブへ向かってOKだ。
また、検問ではパスポートの提示を求められることも稀にある。逆に言えば、街の安全を守るために彼らが監視してくれているということ。
ダハブへは砂漠の中に作られた一本道の道路をひたすら走ることになるので、交通量は皆無。
道路標識にある制限速度はお構いなしに飛ばす運転手が多いが、道がまっすぐなので危ないと感じることもない。僕は大体いつも寝ている。
なお、僕たちはいまだ利用したことがないが、首都カイロやアレクサンドリアなどエジプトの主要都市からバスも出ている。Blue Bus や Go Bus はチケットもオンライン購入でき、なかなか快適なようだ。カイロなどから陸路を希望する場合は、こちらを試してみよう。
ダハブの紹介まとめ
最後にダハブがおすすめな理由を1つ追加すると、ここは東南アジアのような 「スコール」 もなく、雨など滅多に降らない。風が吹いて波が 「少し高くなる」 ことはあるが、台風が頻繁に来る東南アジアとは比べ物にならなくて、ほぼ常に最高のコンディションを維持している。
ダハブに限らず、エジプトのリゾートは治安も良く、紅海側のリゾートは最高のダイビングができる場所が数多くある。せっかくエジプトを訪れるなら、ピラミッドなど遺跡の観光だけでなく、ぜひダハブ方面も旅行してみよう!