京都で美術展を開くには? 貸しギャラリーを調査した結果!

京都で美術展を開くには? 貸しギャラリーを調査した結果!
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先月、京都でイラストアートの美術展を開くにあたり、京都の「貸しギャラリー」について調査をした。僕の妻はイラスト作家。僕が 日本に結納があって良かった! 以来、5ヶ月ぶりに日本へ帰ってきたのは、4月の結婚式のためだけではない。3月末から4月上旬の春休みシーズンに向けて、妻オリアンのイラストを日本でもアピールしようと考えたからだ。

オリアンのイラストはこちら:恋するパリジェンヌのイラストブログ

なお美術展を開くための準備は、まだバリ島にいた頃から開始している。そのため、実際は貸しギャラリーの会場に足を運んだり、会場の運営をされる方にお会いしたりということができず、インターネットによる情報収集、メール・電話のやり取りだけで会場を決定した。同じような形で京都での美術展(個展)をお考えの方にとって、参考となれば幸いだ。

京都のギャラリースペース一覧をネットで検索

アーティストや写真家が美術展を開くためには、まず会場の貸しギャラリーが必要となる。僕が驚いたことは、インターネットで京都にある貸しギャラリーを検索すると、133件のギャラリースペースがヒットしたことだ。利用したのは次のサイトである。

レンタルギャラリー、貸し画廊 検索サイト

京都の貸しギャラリー検索で利用したサイト

東京の「表参道・青山エリア」のように、京都でも「三条・四条エリア」と選べれば良いのだが、それをするには右上の検索ボックスに「三条」あるいは「四条」などとキーワードを入れて検索すると良い。ちなみに、130件以上のギャラリースペースがヒットしたというのは、都道府県の一覧から「京都」を選択した場合の話である。

しかし、130以上のギャラリースペースとなると、様々な用途の会場がある。相談すれば2週間無料という場所もあるが、利用料の高いギャラリーでは「6日間で21万円」という場所もあり、アーティストの予算と展示の目的によって使い分けが必要だ。

そこで僕自身、妻オリアンの個展をプロデュースするにあたり、まず3つの条件を決めた。

条件1:展示期間は3日以上~1週間未満

たとえば、週末の土日だけなどあまりに展示期間が短いと、来たくても来られない人が出てくる。そこで、展示期間は少なくとも3日は欲しいと考えた。しかし、1週間以上の個展となると費用も高くなるため、今回は、3日以上~1週間未満の展示期間を条件とした。

条件2:貸しギャラリーの予算は1万5千円以下

僕と妻のオリアンはお互い個人として働いているが、二人の間ではまるで社訓のようなものを掲げており、その中には次のようなものがある。

  • プロジェクトを始めるとき、The $100 Startup (※) を参考にする
  • プロジェクトで大事なモノを選ぶとき、最低3つは比較してから決める

ちなみに The $100 Startup (※) は洋書ではあるが、中小ビジネスに携わる人にはオススメの良書であり、まだ読んでいない人には是非とも読んで欲しい一冊だ。日本語に翻訳された 1万円起業 というタイトルの本も発売されているようだが、細かなニュアンスを知るにはやはり、英語の原文で読みたい。

僕たちの場合、ドルでなくユーロで考えるため、貸しギャラリーの予算は1万5千円程度とした。もし学生のアーティストなら「安い」とは言えない値段かもしれないが、はじめての個展としては、高すぎず安すぎずというところだろう。

条件3:フェイスブックやメディアへ告知あり

せっかく個展を開くのだから、友人やファンをお招きするだけでは勿体無い。より多くの人にオリアンのアーティスト活動を知ってもらうためにも、新たなファンだって獲得したい。オーナーが広く告知をしてくれる貸しギャラリーを選ぶことは、重要な条件の一つとした。

2つ以上の条件を満たすギャラリーへ問い合わせ

希望する個展が実施できそうな、上記条件を「2つ以上」満たしている貸しギャラリーを、まずは3つピックアップした。それが、次の結果である。ネット上に掲載されている情報を参考にすれば、130件以上のギャラリーから3つに絞り込むことも、そう難しくない。

  • 候補1:be-京都|京町家アートギャラリー
  • 候補2:うめぞの CAFE & GALLERY
  • 候補3:カフェ Turning Point

せっかくなので、各ギャラリーで良いと思った点、問い合わせをした結果も載せておく。

候補1:be-京都|京町家アートギャラリー

be-京都の貸しギャラリーは、ネット検索だけでヒットした。京町家を改装したギャラリーであり、Facebook、メディアへのプロモーションにも長けている。こちらの貸しギャラリーは希望予算をオーバーする 65,000 円/週(2015年3月現在)だったが、それだけの価値があるギャラリーという第一印象だった。

そこで、先ほど紹介した The 100$ Startup の教えに反するが、この展示スペースの空き状況をメールで問い合わせることにした。館長の岡元麻有さんは迅速丁寧にご回答をくださり、しかしながら第一希望の4月上旬は予約済みで空きなしとのこと。

一方、複数のアーティストでスペースを分割する「プチ個展」という展示会イベントなら、まだ空きがあり 15,000 円/週(2015年3月現在)の低予算で良いとのこと。これで展示期間は3日以上~1週間未満、予算も1万5千円以下、フェイスブック告知ありと、三拍子揃う形となり、このカウンターオファーが「be-京都」にて個展を開催する決め手となった。

候補2:うめぞの CAFE & GALLERY

うめぞの CAFE & GALLERY の貸しギャラリーは、和カフェの2階部分に併設されている。その展示期間と予算は 15,750 円/6日(2015年3月現在)であり、展示内容はホームページ上やフェイスブックで告知される。三拍子揃ったギャラリーという印象で、期待は高かった。

そこで早速、問い合わせを試みたのだが、問い合わせフォームやメールアドレスがどこにも公開されていない。仕方なく、バリ島からスカイプで電話を掛けたところ「ギャラリーの件はメールでしか問い合わせを受け付けていないんです」と言われてしまい、電話口でメールアドレスを伝えてもらうことで、ようやく問い合わせることができた。

問い合わせメールへの返信は1日以内に受け取ることができたが、残念ながら「当カフェの店内イメージ・他商品との相性を考慮すると、お受けできません」という内容で、社内での選考の結果ということらしいが、展示を受け入れてもらうことができなかった。こちら側としても、作品ポートフォリオの見せ方を変えるなど次の手は打てたかもしれないが、今回はひとまず「うめぞの CAFE & GALLERY」での展示は見送ることにした。

候補3:カフェ Turning Point

カフェ Turning Point は、クラウンななしという芸名で活動されている「ピエロ」が店主! 京都の少し変わったカフェ、そして駆け出しアーティストにとても優しいカフェで、なんと「2週間で無料」の貸しギャラリースペースが3つも設けられている。

  • カウンターテーブルへのポストカード展示
  • カフェ壁面への展示
  • 小物やアクセサリーの展示

また、無料でありながら作品の販売まで可能というから驚きである。なお、ギャラリーへの問い合わせは、ホームページに用意されていた問い合わせフォームから送信した。数日後、返信がなかったため僕の方から電話を掛けたところ、店主のクラウンななしさんは海外への巡業から日本への移動中だったとのこと。電話では、とても快く対応をしてくださった。

ただ結果的には、「カフェのスペースを実際にご覧いただいて、その際に展示されたいものをご持参いただければ相談いたします」というような対応で、「では、そういたします」と回答した。今週あたり、こちらの貸しギャラリーは見学させていただこうと計画中だ。

オリアンのプチ個展「Paris-Kyoto-Bali」のお知らせ

実際に3つのギャラリーに問い合わせをした結果、be-京都|京町家アートギャラリーにて、はじめてイラストアートの展示会を行うことになった。プチ個展とはいえ、1週間の展示に向け、本人は気合を入れて作品の制作に取り組んでいた。さすが、プロだなぁと尊敬。

京町家でアートの個展を開催

ポスター作成やメールのやり取り、展示用のアートフレームの注文、展示期間中の作品販売の準備など、プロデューサーとして僕もできる限りのことはした。もし展示期間中に京都へお越しの方がおられたら、ぜひ「be-京都|京町家ギャラリー」へと足を運んで欲しい。