これまでに国内海外で100以上の WordPress サイト運営に携わってきた僕の経験上、現在 WordPress のバックアップと復元をセットで簡単にしてくれる最も優れたプラグインは UpdraftPlus である。
海外でズバ抜けて No.1 のプラグインで、僕もクライアントのサイトのバックアップにはこのプラグインをおすすめしている。日本国内ではまだ BackWPUp が利用されているケースが多いが、古い情報を参考に「流れ作業」で導入されてしまっているようだ。もったいない。
今回紹介する UpdraftPlus のプラグインでバックアップすると、WordPress 管理画面で簡単に 「1クリック」 でバックアップデータを復元できるようになる。今から WordPress を使う人は、バックアップのプラグインに断然 「UpdraftPlus」 を使うことをおすすめする。
バックアップは 「復元」 が大事
WordPress のサイト運営者にとって、バックアップデータから「実際にサイトを復元できるかどうか」を確認しておくことは当然のことである。いざという場面で復元方法が分からないようでは、サイトの復旧やエラー解決に余計な時間を要してしまうからだ。
もし自力で復元できない場合、外部に委託するしか手段がなくなる。バックアップがあるだけで「備えあるから憂いなし」と考えていると、とんでもなく痛い目に合ってしまうだろう。
バックアップデータがあったとしても、サイトの復元ができなければ、結局は「時間・お金・信頼」の3つを失うことになる。セキュリティの面から考えてもバックアップデータを「外部」に渡して委託するのは最悪のシナリオと言える。バックアップデータには、データベース接続用のパスワードやユーザー情報まで含まれていることを覚えておこう。
WordPress に限った話ではないが、データのバックアップは「復元 (リストア) 」ができることによって初めて意味を成す。だから、復元方法はなるべく簡単であるべきだ。
例えば、ワンクリックだけで簡単に復元できる「ゲームでのセーブポイントのようなもの」が理想である。ボス戦を控えているときに状態をセーブをしておき、もし失敗してしまっても「すぐにリセットできる」あの感覚である。
バックアップは「真の目的」ではない
日本で人気のプラグイン BackWPUp では、サイトを元の状態に戻せる 「復元機能」 が提供されていない。
プラグインの主目的は「バックアップデータを取ること」になっており、本来なら最優先して確認すべき「サイトの復元方法」が完全に切り離されているのだ。
その結果として、このプラグイン利用者の多くはバックアップデータを取るところまでで満足してしまう。復元方法を紹介しているサイトもあるが、そこまで時間を掛けてテストする人は完全に少数派だろう。
本来、バックアップデータを取ること自体は、「真の目的」ではない。真の目的は、万が一のときにサイトへの変更を取り消し「元の状態にすぐ戻せるようにしておく」ことだ。サイトを元に戻したいと思ったその瞬間に「一発で復元できる」ことが何よりも重要なのである。
セーブとロードができない WordPress サイト運営者、また、バックアップデータからの復元方法に不安や不満を持っている方は、今すぐに「UpdraftPlus」プラグインを試してみよう。
UpdraftPlus ならバックアップの 「復元方法」 までズバッと解決
これでもあなたは 「BackWPUp」 を使い続けるだろうか?
UpdraftPlus プラグイン開発者は、ゲームのセーブとロードのようにバックアップデータを「一発復元」できる重要性をきちんと理解している。バックアップと復元の機能が1セットで設計されており、管理画面はとてもシンプル。まさに、サイトの「セーブ」と「リセット」ができる感覚で、WordPress のバックアップの取り扱いに「革命」をもたらしてくれた。
以下は、UpdraftPlus プラグインがどのように優れているかを解説していく。使い方は超簡単なので、使い方の説明より「どのように優れているか」の解説に重点を置きたい。これからは UpdraftPlus が日本でも主流のバックアップ用プラグインになることを祈って……。
バックアップ復元に使うツールが全て不要
UpdraftPlus で作成されたバックアップデータは、WordPress の管理画面でクリックすると復元できる。つまり、WordPress の本体と UpdraftPlus プラグインさえあれば、初心者が使い方を習得するのは難しい玄人好みのツール (※) がまるで必要なくなる。
これは WordPress を始める人にとって決定的なメリットとなる。また、WordPress を愛用してきた人、複数サイトの管理者にとっても、万が一の場面で作業が楽なのは有り難い。
※ データベースに接続して SQL を実行するために phpMyAdmin、ファイルをアップロードして解凍するためには SFTP 接続できる WinSCP、投稿記事のインポートには WordPress Importer プラグインなど、従来のバックアップの復元ではこれら複数のツールを駆使する必要があった。
プラグイン有効化から復元テストまで5分
UpdraftPlus のプラグインをインストールした直後には、バックアップデータを作成できる。
特に設定を変える必要はなく、数回のクリック操作で「バックアップ」そして「復元」までの一連作業を一気にテストできるのだ。だから、WordPress 初心者でも安心して使える。
UpdraftPlus でバックアップを作成するには、
- 「現在の状態」タブを選択
- 「今すぐバックアップ」ボタンをクリック
と進むだけだ。
1回目のバックアップ作業が完了したら、
- 新しい投稿の「ドラフト保存」
- 不要なプラグインやテーマの「削除」
などサイトに影響のない適当な作業を行おう。
その後 UpdraftPlus のメニュー画面へ戻り「バックアップ済み」タブの「アクション」で「復元」ボタンをクリックしてみよう。
すると、以下のような画面が表示されるはずだ(アップロードファイルとは画像ファイルなどメディアライブラリのデータのことで、バックアップ後に追加/変更した画像が少ない場合はチェックを外して復元する方法がおすすめだ。これで、復元の処理スピードが速くなる)。
WordPress 管理画面からクリック操作のみでサイトを「戻したいポイント」に戻せるのが、UpdraftPlus プラグインの最大の特徴だ。
この「バックアップから復元方法までを一気にテストできることの意味」は非常に大きい。
WordPress 本体をアップデートするときや、ネット上に情報が少ないプラグインを試すのにインストールしたいときなど、変更前の状態へ1クリックで戻せるという安心感のおかげで、色々と気軽に試せるようになるからだ。
Dropbox への自動バックアップも簡単
海外で WordPress バックアップ・プラグイン人気 No.1 ということもあり、こういう連携の使い勝手も素晴らしい。バックアップデータを Dropbox などの「クラウド型ストレージ」に保存するための設定が非常に簡単だ。
UpdraftPlus から「設定」タブを選択後、図のようにクリック操作だけでデータの保存先を Dropbox に変更できる。なお、バックアップデータはサイトと同じレンタルサーバー上には保存せず、外部ストレージに保存するよう必ず設定変更しておこう。その中でも、無料かつとても簡単に使える Dropbox は1番おすすめ。
Dropbox のアカウントを持っていない人は、こちらのリンク から登録することで、通常より 500 MB 多い 2500 MB の容量が無料で使える。
「設定」画面で保存先を変更後は、画面1番下の「変更を保存」ボタンをクリックし、その後「ドロップボックスで認証」のリンクを忘れずクリックしよう。以下2つの画像を参考にすると、きっと簡単に設定できるだろう。
UpdraftPlus でのバックアップをおすすめしている最後の理由
僕は WordPress のバックアップ・プラグインには、海外で人気 No.1 の UpdraftPlus だけをおすすめしている。最後に、日本国内で導入が多い BackWPUp と比較し、おすすめの理由をもう1つ付け加えよう。
まず、以下にある 2016 年 8 月末時点での「数字」をそれぞれ比較して欲しい。画像内の「Quality」及び「Rating」という2つの数字をぜひ注目して見て欲しい。
- BackWPUp Free – WordPress Backup Plugin
- 有効化済みインストール
- 500,000+
- レビュー数
- 325 人
- 5段階評価
- ★★★★☆(4.0)
- UpdraftPlus Backup and Restoration
- 有効化済みインストール
- 800,000+
- レビュー数
- 2,254 人
- 5段階評価
- ★★★★★(4.9)
UpdraftPlus プラグイン側は人気の急上昇と共にソフトウェアとサービスの品質を上げてきており、それとは対照的に、BackWPUp プラグインではユーザーの評価が段々と下がってきているのが分かる。
UpdraftPlus 公式サイトでは UpdraftPlus が WordPress バックアッププラグインで No.1 であると大宣言しており、WordPress バックアップ主要プラグインとの比較データ まで大々的に公開している。この記事は、決して UpdraftPlus の良いところだけを紹介しているわけではない。上記以外の様々な機能面でも、他のプラグインより優れているのだ。
次に、BackWPUp と UpdraftPlus の検索数を Google トレンド で見てみよう。世界的には、後発の UpdraftPlus が BackWPUp を上回ってきている様子が良く分かるはずだ。
ちなみに、日本人が BackWPUp プラグインを良く検索していることも良く分かる。書籍など古い情報で紹介されているため、復元方法など分かりにくい部分が調べられているのだろう。UpdraftPlus プラグインへさっさと切り替えてしまえば、悩まされることもなくなるだろう。
あとがき
僕は WordPress のバックアップ・プラグインとして、日本でもこれから UpdraftPlus が人気を奪っていくと考えている。理由として、やはり何といってもバックアップデータからの「復元のしやすさ」である。
このプラグインを使わず、わざわざ手動で復元したがる人がどこにいるのだろう?
これまでは WordPress 学習者向けの書籍とかインターネット上の記事では「バックアップをデータから手動で復元する作業」が解説されてきたが、次第に過去のものとなるはずだ。
UpdraftPlus を使ったことがない方、そもそも WordPress のバックアップを取っていないという方は、今すぐ UpdraftPlus プラグインを試してみることをおすすめする。